Garminのアプリを開くと、自己ベストの欄に「2:59」と表示される。 その数字は、もう3年前のものだ。 開くたびに少しずつ古くなっていく数字を、私はしばらく見ないようにしていた。

3年前の自分に勝てない

2時間59分。サブ3としては、ぎりぎりの数字だ。 ゴールした瞬間は、これが入口だと思っていた。ここから2時間55分、2時間50分と削っていくのだと。

実際には、そこが天井になった。 走るのをやめたわけではない。それでも、あの数字を一度も超えられないまま3年が過ぎた。

一番こたえるのは、「サブ3ランナーです」と名乗るときだ。 嘘ではない。けれど、それは3年前の誰かの肩書きで、今の自分のものではない気がしている。

知り合いのランナーが自己ベストを更新した報告を見るたびに、素直に喜べない自分がいる。 置いていかれる感覚とは少し違う。自分だけ時間が止まっているような感覚だ。 更新できない理由を探せば、いくらでも出てくる。仕事が忙しい。暑い。疲れている。 どれも本当で、どれも決定的ではなかった。

平日は走れない。それでも上を目指す

私は残業の多い会社員だ。平日の夜に走る時間は、ほとんど取れない。 練習は週末に寄せるしかない。走れるのは、週末を中心に週2回ほどだ。

マラソンの世界には「速くなりたければ距離を踏め」という言葉がある。 平日も毎日走り、月に何百kmも重ねた人が強い。それは事実だと思う。

ただ、それができない人のほうが、世の中には多いはずだ。 平日に走れない人は、上を目指してはいけないのか。 私はそこに、自分の体で答えを出してみたくなった。

もし週末だけの練習でサブエガ(2時間50分切り)に届けば、 同じ条件で走っているあなたにとって、サブ4は十分に現実的な目標になる。 このブログで言いたいことは、結局そこに尽きる。

2つのレースを決めた

目標は2段階にした。

  1. 1 自己ベスト2時間59分から、3年間更新なし
  2. 2 2026年10月25日 しまだ大井川マラソン:サブ3で3年前の自分に戻る
  3. 3 2027年3月14日 静岡マラソン:サブエガで3年前の自分を超える
イメージ図 連載のロードマップ。最初のレースで3年前の自分に並び、本命のレースで超える。

いきなりサブエガだけを狙わなかったのには理由がある。 3年間更新できていない状態で本命に挑み、届かなかったとする。 そのとき、何が足りなかったのかを切り分けられない。そもそも3年前の走力が残っているのかすら分からないからだ。

だから先に、しまだ大井川で3年前の自分に並べるかを確かめる。 並べたなら、残り5か月は「その先の10分」だけに集中できる。 並べなかったなら、それが一番正直な現在地になる。どちらに転んでも、静岡までの計画を立て直す材料になる。

サブ3に必要な平均ペースは1kmあたり4分16秒。サブエガなら4分02秒になる。 差は1kmあたり14秒。フルマラソンの距離で積み上がると、ちょうど10分の差になる。

では今の自分はどこにいるのか。 この夏は、心拍を低く抑えるゆっくりした練習ばかりしていた。 その結果、速いペースを長く保つ力がすっかり落ちていた。

8月30日に久しぶりにペース走をした。10.86kmを平均4’21”/km。 走り終えた直後は「いい走りができた」と思った。 けれど冷静に見れば、サブ3の平均ペースより1kmあたり5秒遅い。しかも距離はフルの4分の1だ。

これが、レースまで3週間を切った今の現在地である。

このブログで書いていくこと

成功談を書くつもりはない。そもそも、成功するかどうか分からない。

書いていくのは、週末の1本1本を走って、何を見て、どう判断したかだ。 うまくいかなかった週も、走れなかった週も、そのまま書く。 島田でサブ3を切れなかったら、それもきちんと書く。

もう1つ白状しておくと、このブログの文章はAIと一緒に作っている。 私が練習のデータと短いメモを渡し、AIが下書きを書き、私が読んで直す。 時間のない会社員が、どうやってブログを続けるか。それ自体も、この連載の実験の一部だ。

週末しか走れないことを、どう扱うか

3年間、私は「平日に走れないから仕方ない」と思っていたのかもしれない。 言い訳にしていたつもりはない。でも、条件として正面から扱ったこともなかった。

週末しか走れないことを、言い訳にするのか、前提として組み立てるのか。 次の3週間と、その先の5か月で確かめてみる。

本記事は個人のトレーニング体験の記録であり、医学的助言ではありません。練習強度の変更や体調に不安がある場合は医師・専門家に相談してください。